
こんにちは、azamiartsです。
結論:油絵の書き方の基本は、①キャンバス・油絵の具・筆・松節油を揃え、②下塗りから重ね塗りの順に進め、③乾燥時間に余裕を持つことです。アクリルよりも準備は少し多いですが、手順を理解すれば初心者でも始めやすい画材です。
「油絵って難しそう」「何から揃えればいい?」「塗り方の手順がわからない」——よくある疑問に、この記事で順に答えていきます。
- 道具: キャンバス・油絵の具・筆・パレット・松節油・ターペンタインが基本セット
- 下塗り: ジェッソや薄い絵の具で地を作ってから描き始める
- 重ね塗り: 「薄い層→厚い層」の順(リーン・オーバー・ファット)が崩れにくい
- 乾燥: 表面乾燥は数日〜1週間。内部乾燥は数ヶ月以上かかる
- 注意点: 匂い・換気・後片付けは油絵特有の手間
- 飾り方: 完成後はニス仕上げ、目線の高さに飾ると見やすい
- 初心者向けの道具リスト(必須とあると便利なもの)
- アクリル・水彩との違い(簡単な比較)
- 下塗りから仕上げまでの基本の塗り方
- 重ね塗りで崩れにくくなる「リーン・オーバー・ファット」の考え方
- 乾燥時間・匂い・後片付けなど油絵のデメリット
- 完成した作品の飾り方
- 油絵の書き方って難しい? — 手順はアクリルより多めですが、覚えれば難しくはありません。下塗り→重ね塗りの流れを一度体験するとコツがつかめます。
- 油絵を始めるのに必要な道具は? — キャンバス・油絵の具・筆・パレット・溶き油(松節油またはターペンタイン)・筆洗が最低限です。詳しくは下の道具リストへ。
- 油絵とアクリル、どちらが初心者向き? — 乾燥が早く後片付けが楽なアクリルの方が気軽に始めやすいです。ただし油絵は重ね塗りの深みや独特の発色を求めて選ぶ方も多いです。
- 油絵はどこで描けばいい? — 換気できる場所が必須です。匂いが気になる場合は無臭タイプの溶剤(オドレスターペン等)を選ぶ方法もあります。
※記事内の制作イメージ写真は説明用です。
初心者が揃える道具
- 油絵はアクリルより道具が少し多い
- 溶き油(松節油・ターペンタイン)が油絵ならではの必須アイテム
- 最初は手頃なセットで十分
画材店の油絵コーナーは種類が多く、最初は何を選べばいいか迷います。下記の最低限の道具から始めて、慣れてきたら少しずつ足していくのが現実的です。
必ず揃えたい基本の道具
- キャンバス — F3号かF4号など小さめのサイズから。木枠に布が張られたものが一般的。最初は練習用の手頃なもので十分です
- 油絵の具 — 12色セットが入門に便利。色名(カドミウムイエローなど)は最初から覚えなくて大丈夫
- 筆 — 豚毛の平筆(太・中・細)が3本あれば多くの表現が試せる。やわらかい毛よりコシのある豚毛が油絵に向きやすい
- パレット — 木製や紙パレットが一般的。後片付けが楽な紙パレットから始めてもよい
- 溶き油(松節油・ターペンタイン) — 絵の具をのばすのに使う油。ターペンタインは揮発性が高く下塗りや筆洗いに向く。リンシードオイルなどの乾性油は仕上げ層の油量を増やすときに使う
- 油壺 — 溶き油を入れる小さな容器。パレットに取り付けるタイプが使いやすい
- 筆洗 — 筆に残った油を洗う専用容器。ターペンタインを入れて使う
※画材の例は別途掲載予定。
あると便利な道具
パレットナイフは、筆では出しにくい厚みのある塗りや硬い線が作れます。絵の具を重ねてのばすだけでも、偶然の表情が生まれやすい道具です。
- ジェッソ — 下地剤。キャンバスに薄く塗ると発色がよくなり、筆滑りも整う。白が一般的
- イーゼル — 全体を見ながら描くとバランスが取りやすい。卓上型でも代用できる
- ニス(仕上げ用) — 完成後に塗ると発色が安定し、保護になる。完全乾燥後(目安は6ヶ月以上)に使う
アクリル・水彩との違い
油絵・アクリル・水彩はそれぞれ特性が異なります。始める前に簡単に知っておくと、選びやすくなります。
- 油絵 — 乾燥が遅く、乾く前なら修正・ブレンドがしやすい。重厚な発色が特徴。匂いと後片付けに手間がかかる
- アクリル — 乾きが早く重ね塗りしやすい。水で洗えて扱いやすい。気軽に始めやすい(抽象画の描き方はアクリル向けの内容です)
- 水彩 — 透明感とにじみが特徴。紙に描く。修正が難しく、水の量のコントロールに練習が必要
「乾燥を待ちながら納得いくまで修正したい」「深みのある発色を出したい」——そういった目的には油絵が向いています。各画材の詳しい比較は、将来公開予定の「画材の選び方」記事でまとめる予定です。
基本の塗り方(4ステップ)
油絵の塗り方は、アクリルや水彩と異なる手順があります。順番を守ると絵が崩れにくくなります。
ステップ1:キャンバスの下地づくり
- ジェッソを薄く塗る — キャンバス全体に1〜2回塗り、完全に乾かす。発色が上がり、表面の凹凸も整う
- 色付き下地の選択肢 — 白だけでなく、薄いグレーやテラコッタ系をジェッソに混ぜると、全体の色調が統一しやすい。初心者は白から始めてよい
ステップ2:下塗り(アンダーペインティング)
構図と明暗を薄い層で描き起こす工程です。細部より全体のバランスを先に決めておくと、その後の重ね塗りが進めやすくなります。
- 溶き油を多めにして薄い層で — ターペンタインで絵の具をよく溶いて、スケッチするように全体を塗る
- 使う色は1〜2色でよい — バーントアンバーやウルトラマリンブルーなど、1色で明暗だけを表現するグリザイユ技法が取り組みやすい
- しっかり乾かしてから次の層へ — 表面が乾いていないと、上の層がにじんで混ざりやすい
ステップ3:重ね塗り(リーン・オーバー・ファット)
油絵の重ね塗りで覚えておきたいのが、「リーン・オーバー・ファット(Lean over fat)」というルールです。
- リーン(lean)= 薄い層 — 揮発性油を多く含む、乾きの速い層を下に置く
- ファット(fat)= 油の多い層 — 乾性油を多く含む、乾きの遅い層を上に置く
- 逆の順(下が油多め・上が薄い)にすると、乾燥速度の差でひび割れが起きやすくなる
最初から完璧に守らなくても大丈夫ですが、「下の層は薄め、上の層は油を多め(厚め)に」と意識するだけで崩れにくくなります。
ステップ4:仕上げと乾燥
描き終わったら、直射日光を避けた風通しのよい場所で乾燥させます。表面が触れる程度になるには数日〜1週間ほどかかります。内部まで完全に乾くには数ヶ月以上かかることも多く、ニスがけはその後が基本です。「もうひと手間」という感覚で乾燥を待てると、完成度が上がります。
油絵のデメリット・注意点
油絵は表現の幅が広い一方で、始める前に知っておきたい手間もあります。
- 乾燥が遅い — 作業と作業の間に数日待つことがある。「翌日に続きを描く」ペースには向かない場合がある
- 匂い(溶剤) — ターペンタインなど揮発性の溶剤は匂いが強い。換気は必須。無臭タイプの溶剤(オドレスミネラルスピリットなど)に替える選択肢もある
- 後片付けが面倒 — 筆はターペンタインで落としてから石鹸で洗う必要がある。作業中に放置すると硬化して使えなくなるので注意
- 場所を選ぶ — 溶剤の揮発・飛び散りがあるため、換気できるスペースが必要。集合住宅ではベランダや窓際での作業を検討する
- 初期費用がやや高め — 揃えるアイテムがアクリルより多く、道具全体のコストはかかりやすい
油絵の手間が気になる場合、まずアクリルで抽象画を試してみるのも一つの方法です。また、油絵とアクリルを組み合わせるミクストメディアという技法もあります。画材の幅が気になったときに参考にしてみてください。
完成した作品を飾る
油絵が完成したら、飾ることで日常の一部になります。キャンバス作品を壁に飾るときのポイントは次のとおりです。
- 高さ — 絵の中心が目線(床から145〜150cm目安)になる位置が見やすい
- 額縁の有無 — 油絵キャンバスは側面(厚み部分)まで描いておくと、額なしでもきれいに成立する
- 複数枚 — ギャラリーウォールにする場合は、床に並べてから壁に移すと配置が決まりやすい。3枚の絵の飾り方も参考にしてみてください
まとめ
油絵の書き方は、道具を揃えて下塗りから重ね塗りへと進む流れが基本です。乾燥の遅さ・匂い・後片付けといった油絵特有の手間はあるものの、重ねた層が生む深みのある発色は油絵ならではの魅力です。最初は小さなキャンバスと基本の道具だけで試してみて、塗り方の感覚を体で覚えるのが近道です。
- 基本の道具はキャンバス・油絵の具・筆・溶き油・筆洗
- 下塗り→重ね塗り(薄→厚)の順が崩れにくい
- 乾燥は急がず、層ごとに待つのがコツ
- 匂い・後片付けは換気と溶剤選びで軽減できる
- アクリルや水彩と目的に合わせて選ぶとよい
- 完成品は目線の高さに飾ると見やすい




