
結論:有名な抽象画とは、リンゴや風景のように「何が描いてあるか」が一目でわからない絵のことです。色・形・線だけで感情やリズムを表す抽象画(Abstract Art)の代表作として、カンディンスキー・モンドリアン・ロスコ・ミロなどがよく挙げられます。正解を探すより、自分の感じ方で楽しむのがコツです。
「抽象画 有名」「どんな画家がいる?」「意味がわからない」——よくある疑問に、この記事で順に答えます。
- 抽象画:具体的なモチーフを描かず、色・形・線で表現する絵画
- 始まり:20世紀初頭。写真の普及後「絵画にしかできないこと」を模索
- 西洋の代表:カンディンスキー、モンドリアン、ミロ、ロスコ、ポロック
- 二つの流れ:感情重視の「熱い抽象」と幾何学の「冷たい抽象」
- 日本:具体美術(吉原治良・白髪一雄)、草間彌生など
- 楽しみ方:「何の絵?」より色・形・自分の気持ちに注目
- 抽象画とは何か(有名な抽象画の意味)
- カンディンスキー・モンドリアン・ミロ・ロスコの特徴と代表作
- 日本人の抽象画家(具体・草間彌生)
- 抽象画が生まれた歴史と種類
- 初心者向けの鑑賞のコツ
- 有名な抽象画が見られる美術館
- 有名な抽象画とは? — 世界的に知られる抽象画と、その作家のこと。一つの「正解リスト」はなく、教科書や美術館でよく紹介される作品が中心です。
- 抽象画って何が描いてあるの? — リンゴや人物のように形がはっきりしないことが多いです。「何か」を探すより、色や形から受ける印象を楽しむ見方が向いています。
- 意味がわからないのは普通? — はい。画家ごとに意図は違い、見る人の感じ方も違って大丈夫です。詳しくは抽象画の意味が分からないの記事も参考に。
- 具象画との違いは? — 具象画は「見えるもの」を描く。抽象画はそれを省略し、色・形そのものを主役にします。抽象画と具象画の違いで整理しています。
※記事内の作品画像はイメージ・説明用です。
抽象画とは

抽象画は、風景や人物のように「見たままの形」を描かず、色・形・線そのもので画家の感情やリズムを表す絵画です。日本語では「ちゅうしょうが」、英語では Abstract Art と呼ばれます。
初めて前に立つと「何の絵?」と戸惑う方も多いですが、それ自体が自然な反応です。有名な抽象画は、正解を一つに決めるより、あなたがどう感じるかで楽しむ作品が多いです。
有名な抽象画と代表画家
- カンディンスキー=「抽象絵画の父」・色彩と音楽
- モンドリアン=直線と三原色の幾何学
- ミロ=詩的な記号と色
- ロスコ=巨大な色面で感情に働きかける
- 日本=具体美術・草間彌生
ワシリー・カンディンスキー
ロシア出身のカンディンスキーは、「抽象絵画の父」とも呼ばれる先駆者です。色に音楽的な響きがあると考え、激しい色彩と線が交差する『コンポジション』シリーズが有名です。
目に見える世界の再現ではなく、内側から湧く感情を描く——という考え方が、のちの抽象表現の土台になりました。もう少し深く知りたい方は、抽象画とカンディンスキーの記事もどうぞ。
ピエト・モンドリアン

オランダのモンドリアンは、黒い垂直・水平線と赤・青・黄の三原色で画面を構成するスタイルが印象的です。代表作に『ブロードウェイ・ブギウギ』(1942〜43)などがあります。
個人の感情を抑え、普遍的な秩序や調和を形にする幾何学的抽象の代表格です。カンディンスキーの情熱的な色使いとは対照的に、「静かで整った」印象を受ける方が多いです。
ジョアン・ミロ
スペインのミロは、星・鳥・目などを思わせる記号的な形と、原色に近い色使いが特徴です。無意識から形を生むオートマティスムの影響を受け、子どもの落書きのような自由さと、洗練されたバランスをあわせ持ちます。
シュルレアリスムとのつながりは、シュルレアリスムを簡単にの記事で触れています。
マーク・ロスコ

アメリカで活躍したマーク・ロスコは、巨大なキャンバスにぼんやりとした長方形の色面を重ねる作品で知られます。カラーフィールド・ペインティング(色面絵画)の代表です。
「何が描いてあるか」より、色に包まれて悲しみや歓喜などの感情と向き合う体験を重視した画家として語られることが多いです。薄暗い部屋で一対一で見る展示が有名です(後述のロスコ・ルーム)。
日本人の抽象画家
日本にも世界的に知られる抽象の作家がいます。
- 具体美術協会(GUTAI): 1950年代、大阪を中心に活動。リーダー吉原治良の「円」シリーズ、白髪一雄の足で描くパフォーマンスなど、身体性のある抽象が特徴
- 草間彌生: 無限に広がる水玉(ドット)や網のモチーフで知られる。西洋の抽象の流れを受けつつ、独自の視覚言語を築いた作家
西洋の有名な抽象画と並べて見ると、日本の作家には身体・素材・反復といったアプローチが目立つことがあります。具体美術の歴史・具体美術協会・ハイレッドセンターをもっと知りたい方は、具体美術とはの記事でやさしく解説しています。
抽象画の歴史と種類

抽象画は突然現れたわけではありません。19世紀後半、写真が「現実を記録する」役割を担うようになると、画家たちは「絵画にしかできない表現は何か」を問い直しました。
セザンヌが形を円筒・球・円錐に還元する考え方を示し、20世紀初頭のキュビズム(ピカソ・ブラック)が複数の視点を1枚に重ねる方法を開きました。その流れのなかで、1910年代にカンディンスキーらが具体的な対象から離れた絵を制作します。詳しくはキュビズムの特徴の記事へ。
- 熱い抽象(情熱的抽象): カンディンスキーのように、感情や筆の勢いを前面に。戦後アメリカではアクション・ペインティング(ジャクソン・ポロックの滴り描きなど)もこの系譜
- 冷たい抽象(幾何学的抽象): モンドリアンのように、線と色で秩序や調和を表す。理屈と設計が感じられる作品
この二つを軸に、ロスコの色面、ミロの記号など、さまざまな枝が広がっています。
有名な抽象画の見方(初心者向け)
美術館で有名な抽象画の前に立ったとき、試してみたいコツを5つにまとめました。
- 「何か」を探すのをやめる — まず色や形を、音楽を聴くように感じてみる
- タイトルをヒントにする — 「コンポジション」「無題」など、キャプションに意図の手がかりがあることも
- 自分の気持ちに正直になる — 楽しい・不安・穏やかなど、どんな反応でもOK
- 距離を変える — 近くで筆致、遠くで全体のバランスを見る
- 五感で連想する — 音楽なら何の曲? 味や手触りは? と自由に想像する
画家が込めた意味と、あなたが受け取る意味が違っても問題ありません。対話のなかで作品が生き続ける——それも抽象画の魅力です。
画家が込める「意味」とは

「この有名な抽象画の意味は?」と聞かれることも多いですが、一つの言葉で答えられる作品は少ないです。
- カンディンスキー → 色と音楽で、魂に届く感覚を伝えたい
- モンドリアン → 個人の感情を超えた、宇宙の調和
- ロスコ → 鑑賞者が内面と向き合う「精神的な空間」
意味を正解探しにするより、作品が自分に何を語るかを味わう時間が、鑑賞の中心になります。
有名な抽象画が見られる美術館
本物のスケールや絵具の厚みは、画像では伝わりにくい部分があります。代表的な所蔵先を表にまとめました(展示は常設とは限りません。公式サイトで要確認)。
海外
| 美術館 | 所在地 | 抽象画で有名な点 |
|---|---|---|
| MoMA(ニューヨーク近代美術館) | アメリカ・NY | モンドリアン、ポロックなど近代美術のコレクション |
| ポンピドゥー・センター | フランス・パリ | カンディンスキー作品が充実 |
| テート・モダン | イギリス・ロンドン | ロスコ・ルーム(シーグラム壁画) |
日本
| 美術館 | 所在地 | 抽象画で有名な点 |
|---|---|---|
| 東京国立近代美術館 | 東京・竹橋 | 日本の近代・現代美術の流れを体系的に |
| DIC川村記念美術館 | 千葉・佐倉 | ロスコ専用の「ロスコ・ルーム」 |
| 国立国際美術館 | 大阪・中之島 | 具体美術など戦後日本の前衛 |
初めて美術館に行く場合は、美術館の楽しみ方も参考にしてください。博物館との違いは博物館と美術館の違いで整理しています。
もっと知りたいとき

- 具体美術とは — 具体美術協会・白髪一雄・ハイレッドセンター
- 抽象画と具象画の違い — 見分け方と鑑賞のヒント
- 抽象画とカンディンスキー — 色彩と音楽の思想
- 抽象画の描き方 — 自分で描いてみたい方向け
- キュビズムの特徴 — 抽象への道のり
自分で描いてみると、有名な抽象画の見え方も変わることがあります。無理に専門用語を覚えなくても、心がどう動くかを素直に感じることから始めてみてください。
- 有名な抽象画=色・形・線で表現する絵の代表作と作家(カンディンスキー、モンドリアン、ロスコ、ミロなど)
- 抽象画は写真の普及後、「絵画にしかできないこと」を探す流れのなかで発展
- 熱い抽象(感情・筆致)と冷たい抽象(幾何学・秩序)の二系統が基本
- 日本では具体美術と草間彌生が世界的に知られる
- 鑑賞は「何の絵?」より色・形・自分の感情から入る
- 画家の意味と鑑賞者の意味は一致しなくてよい
- MoMA・ポンピドゥー・テート・DIC川村などで本物に出会える
- 関連記事で具象との違い・描き方・キュビズムへ広げられる




