
結論:アクリル画の描き方の基本は、①キャンバス・アクリル絵の具・筆を揃え、②下書きから薄塗り→重ね塗りの順に進め、③筆は使ったらすぐ水洗いすることです。油絵のような溶剤が不要で後片付けも楽、初心者が最初に選ぶ画材として人気があります。
「アクリル絵の具って何から始めればいい?」「重ね塗りはどうするの?」「筆はいつ洗えばいい?」——よくある疑問に、この記事で順に答えていきます。
- 道具: アクリル絵の具・筆・キャンバス・パレット・水入れ・雑巾が基本セット
- 下地: キャンバスはそのまま使えることが多い。発色を高めるならジェッソで下塗り
- 手順: 下書き → 背景・中景・前景の順に薄塗り → 乾かして重ね塗り
- 乾燥: 表面は数分〜30分。重ね塗りは完全に乾いてから
- 筆の手入れ: 乾く前に水で洗う。乾くと固まって落ちにくくなる
- 仕上げ: 完成後は十分に乾燥を確認してから飾る
- 初心者向けの道具リスト(必須とあると便利なもの)
- 油絵・水彩との違いと使い分けのヒント
- 下書きから仕上げまでの基本の塗り方
- 重ね塗りと乾燥時間のコツ
- 筆の洗い方・よくある失敗と対処法
- 抽象画・ミクストメディアへの発展の仕方
- 完成した作品の飾り方
- アクリル画の描き方って難しい? — 油絵より準備が少なく、後片付けも楽なので取り組みやすいです。手順を一度体験するとコツがつかめます。
- アクリル画に必要な道具は? — アクリル絵の具・筆・キャンバス・パレット・水入れが最低限です。詳しくは下の道具リストへ。
- 油絵とアクリル、どちらが初心者向き? — 乾燥が早く後片付けが楽なアクリルの方が気軽に始めやすいです。油絵の描き方は油絵の書き方の記事にまとめています。
- アクリルで失敗しても修正できる? — 乾いた層の上に重ね塗りすれば修正できます。ただし完全に消すのは難しいため、下書きを丁寧にしておくと安心です。
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アクリル画・油絵・水彩の違い
「アクリルにしようか、油絵にしようか」と迷う方は多いです。3種類の特性を簡単に比べると、選びやすくなります。
- アクリル絵の具 — 乾きが早く(数分〜30分)、重ね塗りがしやすい。水で洗えて後片付けが楽。厚塗りも薄塗りも対応できる
- 油絵の具 — 乾燥に数日〜数週間かかるぶん、乾く前に修正・ブレンドがしやすい。深みのある発色が特徴だが、溶剤(ターペンタインなど)が必要で後片付けに手間がかかる
- 水彩絵の具 — 透明感とにじみが特徴。紙に描く。乾いても水で再溶解できるが、重ね塗りで下の色が影響しやすい
「乾きの速さ・重ね塗りのしやすさ・後片付けの手軽さ」を重視するならアクリルが向いています。アクリル絵の具の特徴・成分・種類の詳しい解説はアクリル絵の具とはの記事をご覧ください。油絵を選びたい方は油絵の書き方へ。画材全体の比較は画材とはにまとめています。
初心者が揃える道具
- 最初は5〜6点の道具で始められる
- 溶剤不要で、水だけ使える
- 12色セット+筆3本+小さめキャンバスが入門の定番
アクリル絵の具は油絵ほど道具が多くなく、専用の溶剤も不要です。下記の道具があれば、すぐに始められます。
必ず揃えたい基本の道具
- アクリル絵の具 — 12色セットが入門に向いています。ターナー・ホルベインなど国内メーカーの製品は発色が安定しており、初めてでも扱いやすいです
- 筆 — 太・中・細の3本あれば幅広い表現が試せます。アクリル兼用のナイロン毛の筆は後片付けがしやすいです
- キャンバス — F3号(27.3×22cm)など小さめのサイズから。机の上でも扱いやすく、練習にも向いています
- パレット — 紙パレット(使い捨て)は後片付けが楽。アクリルはパレット上でも固まりやすいため、少量ずつ出すのが基本
- 水入れ — 空き瓶やコップで十分。筆を洗う用と絵の具を薄める用の2つ用意すると便利です
- 雑巾・キッチンペーパー — 筆の水切りや飛び散りの拭き取りに。テクスチャー表現にも使えます
- ターナー アクリルガッシュ 12色セット(11ml) — 国内メーカーで発色と安定性が高く、初めてのアクリル絵の具に選ばれることが多い。ガッシュは不透明タイプのため、透明感を出したい場合は「透明アクリル絵の具」タイプも検討を
- 絵筆セット 6本(油画・アクリル兼用) — 太・中・細の構成が揃った入門向けセット。ナイロン毛は乾いたアクリルが落としやすい。使い終わったらすぐ水洗いするのが長持ちのコツ
- 張りキャンバス F3号 3枚セット — 練習1枚・本番2枚など使い分けができる。F3(27.3×22cm)は机でも扱いやすいサイズ。キャンバス地の目の粗さを確認すると仕上がりのイメージが決まりやすい
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あると便利な道具
パレットナイフは、筆では出しにくい厚みのある盛り上がりや硬い線を作れます。混色にも使えて、偶然の表情が生まれやすい道具です。
- ジェッソ — 下地剤。キャンバスに薄く塗ると発色がよくなり、筆滑りも整う。白が一般的。必須ではないが、あると仕上がりが安定しやすい
- メディウム — 光沢・乾燥時間・厚みを調整できる。グロスメディウム(ツヤあり)やマットメディウム(ツヤなし)が代表的
- イーゼル — 全体を見ながら描くとバランスが取りやすい。卓上型でも代用できる
描き始める前の準備
道具を揃えたら、描き始める前に少し準備をすると作業がスムーズになります。
- 作業スペースを確保する — 絵の具が飛び散ることがあるため、机や床に新聞紙または防水シートを敷いておく。汚れてもよい服装で(エプロンを着用するとなお安心)
- 換気を確認する — アクリル絵の具自体は溶剤不要で安全性が高いですが、長時間作業するときは窓を少し開けておくと快適に作業できます
- 水入れを2つ用意する — 1つは筆を洗う用、もう1つは絵の具を薄める用。共用にすると水が汚れて混色に影響しやすいです
- キャンバスの向きを決める — 縦・横どちらで描くかを先に決めてから下書きに進む方が、構図のバランスを取りやすいです
絵の具はパレットに少量ずつ出すのが基本です。アクリルは乾きが早くパレット上でも固まりやすいため、霧吹きで水をかけておくと乾燥を少し遅らせられます。
基本の塗り方(4ステップ)
アクリル画の描き方は、手順を守ると仕上がりが安定します。最初から全体を細かく描こうとせず、大きな流れを掴むことが大切です。
ステップ1:下書き
- 鉛筆または薄い色で描く — 鉛筆は後で絵の具に隠れるので問題なし。薄いアクリル(ライトオーカーやグレーなど)で大まかに形を取る方法もある
- 細部より全体の構図を先に — 主役となるモチーフの位置と大きさを決めてから、背景・前景へと広げていく
- 数歩引いて全体を確認する — 近くで描いていると全体のバランスが崩れやすい。こまめに離れて見直す習慣が大切です
ステップ2:背景から塗る(薄塗り)
下書きが終わったら、背景→中景→前景の順に塗り進めます。アクリルは後から重ね塗りができるため、最初から細部を描かず大きな面を先に埋めるのが基本です。
- 水で薄めて使う — 最初の層は水を多めに混ぜて薄い色にする。下書きが透けて見える程度が目安
- 大きい筆から始める — 背景など広い面は大きな筆で一気に塗ると均一になりやすい
- 乾かしてから次の層へ — アクリルは数分〜30分で表面が乾く。触れて冷たくなく、指にくっつかなければ重ね塗りのタイミング
ステップ3:重ね塗りで仕上げていく
アクリル絵の具の強みは、乾いた層の上に何度でも重ね塗りができる点です。下の層が完全に乾いていれば、上の色が混ざらずにしっかり発色します。
- 薄い層を複数重ねる — 一度に厚く塗るよりも、薄い層を3〜4回重ねると発色が安定する
- 暗い色を先に、明るい色を後から — 暗い色を先に置いて、明るい色・ハイライトをのせていくのが基本的な順序
- 細部・ハイライトは最後に — 細い筆で細部や光の当たる部分を最後に描き込むと、全体が引き締まる
ステップ4:仕上げと乾燥の確認
描き終わったら、直射日光を避けた場所で乾燥させます。アクリルは表面乾燥が早い一方、内部まで完全に乾くにはもう少し時間がかかります。作品が反ったり触ったときにべたつく場合は、まだ完全に乾いていないサインです。急いで重ねて片付けると絵の具が転写することがあるため、焦らず待ちましょう。
重ね塗りと乾燥のコツ・よくある失敗
アクリル特有の「乾きの速さ」はメリットにもなりますが、慣れないうちは扱いに戸惑うこともあります。よくある失敗と対処法をまとめました。
- 筆が固まってしまった — アクリルは乾くと耐水性になり、固まった筆は元に戻しにくい。作業中も筆は水に浸けておくか、使うたびにすぐ洗う習慣を
- 色が濁る — パレットの水が汚れていたり、補色同士を混ぜすぎると濁りやすい。水を清潔に保ち、混色は少量で試してから使う
- 境界線が硬くなる — アクリルは乾きが早いため、隣り合う色の境界がくっきりしやすい。ぼかしたい場合は乾く前(ウェット・オン・ウェット)にすばやく隣の色を置く。慣れないうちはくっきりした境界を活かすスタイルで描く方が扱いやすい
- 乾燥前後で色が変わる — ガッシュタイプは乾くと若干色が落ち着く(沈む)ことがある。仕上がりを想定して少し明るめに調整するとよい
- パレットで絵の具が固まる — 少量ずつ出して霧吹きで水をかけると乾燥を遅らせられる。紙パレットなら固まったページを剥がすだけで済む
筆の洗い方
アクリル画で特に大切なのが筆の手入れです。油絵の溶剤洗いと違い、水だけで洗えるのがアクリルの利点ですが、乾く前に洗うことが鉄則です。
- 使い終わった筆はすぐに水に浸けるか、流水で流す
- 根元(毛と柄の接合部)に絵の具が溜まりやすいので、特に念入りに洗う
- 洗った後は穂先を整えて毛先を上にして乾燥させる。毛先を下にしたまま放置すると形が崩れやすい
- 固まってしまった場合は、専用のブラシクリーナーや中性洗剤を試す。ただし完全に復元できないケースも多い
- 紙パレット(使い捨て・100枚前後) — 使い終わったら1枚剥がすだけで後片付け完了。アクリルは乾くとパレットに固着するため、洗う手間を省きたい方に向いています。ただし長期保管には向かないため、続けて使うなら陶器やプラスチック製のパレットも検討を
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抽象画やミクストメディアへ広げる
基本の手順を覚えたら、表現の幅を広げることもできます。アクリル絵の具はさまざまな技法に対応しやすく、具象・風景・静物の枠を超えた描き方が可能です。
- 抽象画へ — 形を描かず、色・線・質感で表現する方向性。ドリッピングやテクスチャー技法など、アクリルを活かした特殊技法は抽象画の描き方でくわしく紹介しています
- ミクストメディアへ — 絵の具だけでなく、コラージュや布・砂などの素材を組み合わせる表現。アクリルは接着剤としても使えるため、素材遊びの入口にもなります(ミクストメディアとは)
- 油絵との組み合わせ — アクリルで下塗りし、仕上げに油絵の具を重ねる方法もあります。アクリルの速乾性と油絵の深みを組み合わせた技法で、両者の使い方を知ると試しやすくなります
完成した作品を飾る
アクリル画が完成したら、飾ることで日常の一部になります。ポイントをまとめました。
まとめ
アクリル画の描き方は、道具を揃えて下書きから薄塗り・重ね塗りへと進む流れが基本です。油絵より後片付けが楽で、乾燥が早く重ね塗りもしやすいのがアクリルの強みです。ただし「筆の手入れは乾く前に」という点だけは気をつける必要があります。まずは小さなキャンバス1枚で、基本の手順を体験してみることが近道です。
- 基本の道具はアクリル絵の具・筆・キャンバス・パレット・水入れ
- 下書き → 背景から薄塗り → 重ね塗り → 仕上げの順が基本
- 重ね塗りは下の層が完全に乾いてから
- 筆は使ったらすぐ水で洗う——乾くと固まって落ちにくくなる
- アクリルは油絵より後片付けが楽で、初心者に取り組みやすい
- 基本を覚えたら抽象画・ミクストメディアへも発展しやすい
- 完成品は目線の高さに飾ると見やすい




