有名な抽象画の世界へ!鑑賞のコツと歴史をやさしく解説

こんにちは、アザミです。

ふと目にした一枚の絵に、心がざわめいたり、理由もなく惹きつけられたりした経験はありませんか。

それが有名な抽象画だった、という方もいらっしゃるかもしれませんね。

一見すると、何が描かれているのか分からなくて、少し戸惑ってしまうこともあるのが抽象画の面白いところです。

アートの初心者だった頃の私も、実は「この絵の魅力って何だろう?」と首をかしげることがよくありました。

この記事では、かつての私のようなアートの探求を始めたばかりの方に向けて、有名な抽象画の世界を一緒に旅していきたいと思います。

そもそも抽象画とは何か、その意味から、どのような歴史を辿ってきたのか、そして作品にはどんな種類があるのかを、分かりやすく紐解いていきましょう。

ワシリー・カンディンスキーやピエト・モンドリアン、ジョアン・ミロ、マーク・ロスコといった巨匠たちの作品に触れながら、抽象画の見方や楽しみ方のヒントを探していきます。

もちろん、世界で活躍する有名な日本人の抽象画アーティストについてもご紹介しますね。

最終的には、実際に美術館へ足を運んで、本物の作品が持つパワーを感じてみたくなるかもしれません。

この記事が、あなたとアートとの素敵な出会いのきっかけになれば、これほど嬉しいことはありません。

※こちらの記事の画像はイメージ画像です。

 

この記事で分かる事、ポイント
  • 有名な抽象画が生まれた歴史的背景
  • 初心者でも分かる抽象画の基本的な見方
  • カンディンスキーなど代表的な画家の特徴
  • モンドリアンやロスコの作品スタイルの違い
  • 日本人で有名な抽象画アーティスト
  • 抽象画に込められた意味を読み解くヒント
  • 有名な抽象画を所蔵する国内外の美術館

 

世界を変えた有名な抽象画とアーティストたち

この章のポイント
  • 抽象画とは?初心者にも分かりやすく解説
  • ワシリー・カンディンスキーの作品
  • ピエト・モンドリアンの幾何学的な作品
  • ジョアン・ミロの色と形の表現
  • マーク・ロスコとカラーフィールド
  • 日本人で有名な抽象画の画家は?

抽象画とは?初心者にも分かりやすく解説

まず最初に、「抽象画」そのものについて、少しだけお話しさせてください。

おそらく多くの方が、風景画や人物画のように、見たままの形を写し取った絵には馴染みがあると思います。

一方で抽象画は、具体的なモノの形を描きません。

その代わり、色や形、線といった、絵画を構成する純粋な要素そのものを使って、画家の感情や思考、音楽的なリズムといった、目には見えないものを表現しようと試みるアートなんです。

初めて抽象画の前に立ったとき、「これは一体、何を描いているんだろう?」と疑問に思うのは、とても自然なことだと思います。

リンゴを描いていれば「リンゴの絵だ」と分かりますが、抽象画にはその「正解」が用意されていないことが多いからなんですよね。

でも、そこにこそ抽象画の面白さがあると、私は感じています。

見る人が「これは何だろう?」と感じたその瞬間から、作品との対話が始まっていると言えるかもしれません。

画家が込めた思いを想像したり、色や形から受ける印象を素直に感じ取ったり、楽しみ方は無限に広がっています。

つまり、有名な抽象画を鑑賞するのに、専門的な知識が必ずしも必要というわけではないということです。

大切なのは、固定観念にとらわれず、心がどう動くかを観察してみることではないでしょうか。

これからご紹介するアーティストたちも、それぞれの方法で目に見えない世界の表現に挑みました。

彼らの作品を通して、ぜひあなただけの感じ方を見つけてみてください。

ワシリー・カンディンスキーの作品

有名な抽象画の歴史を語る上で、絶対に欠かせない人物がいます。

それが、ロシア出身の画家、ワシリー・カンディンスキーです。

彼は「抽象絵画の父」とも呼ばれていて、具体的な対象を描かない、全く新しい絵画の可能性を切り開いた先駆者の一人なんですよ。

カンディンスキーはもともと法律と経済の学者でしたが、30歳で画家の道に進むことを決意したという、興味深い経歴の持ち主です。

彼の作品を理解する上で大切なのは、「内なる必然性」という考え方です。

これは、目に見える世界の再現ではなく、自身の内側から湧き上がってくる感情や精神的な衝動を、色と形で表現しようとする考え方を指します。

彼は、色にはそれぞれ特定の感情や精神的な響きがあると信じていました。

例えば、黄色は鋭く攻撃的な音、青は穏やかで天上的な音、といったように、色を音楽の音色のように捉えていたんですね。

彼の代表作である「コンポジション」シリーズを見ると、様々な色彩や線、形が画面上で踊っているように見えませんか。

▶︎Google検索:カンディンスキー コンポジション

まるで、壮大な交響曲を聴いているかのような感覚に陥る方もいるかもしれません。

カンディンスキーにとって、絵画は魂に直接語りかけるための言語だったのです。

彼の作品の前に立つと、論理的な理解を超えて、私たちの感情に直接働きかけてくるような不思議な力を感じます。

有名な抽象画の世界への第一歩として、カンディンスキーの音楽的な絵画に耳を傾けてみるのは、とても素敵な体験だと思います。

ピエト・モンドリアンの幾何学的な作品

カンディンスキーが情熱的で音楽的な抽象表現を追求したのに対し、全く異なるアプローチで有名な抽象画の世界を切り開いたのが、オランダの画家ピエト・モンドリアンです。

▶︎Google検索:モンドリアン

彼の名前を聞くと、黒い垂直線と水平線、そして赤・青・黄の三原色で構成された、あの理知的な画面を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。

モンドリアンの作品は、一見すると非常にシンプルで、冷たい印象を受けるかもしれません。

しかし、その背後には、彼の深い哲学と、普遍的な美を追求する強い意志が隠されているんです。

彼は、自然界の偶発的な形や色彩の奥には、宇宙の秩序や調和といった、もっと本質的な美が存在すると考えていました。

そして、その普遍的な美を表現するためには、個人の感情や偶然性を徹底的に排除する必要がある、と結論づけたのです。

その結果としてたどり着いたのが、垂直線と水平線、そして三原色と無彩色(白、黒、灰色)だけを用いる「新造形主義(ネオ・プラスティシズム)」と呼ばれるスタイルでした。

彼にとって、垂直線は男性的な原理や活力を、水平線は女性的な原理や静けさを象徴していました。

この二つの線が交差することで生まれる均衡こそが、彼が追い求めた究極のハーモニーだったわけです。

彼の作品は、まるで完璧に設計された建築物のような、静かで揺るぎない秩序を感じさせます。

感情的なカンディンスキーとは対照的に、モンドリアンは普遍的な法則や秩序をキャンバス上に表現することで、見る人の心に静かな平穏をもたらそうとしたのかもしれませんね。

この二人の巨匠の違いを知るだけでも、抽象画の表現の幅広さを感じられると思います。

ジョアン・ミロの色と形の表現

次にご紹介したいのは、スペイン出身の画家、ジョアン・ミロです。

彼の作品は、カンディンスキーの情熱とも、モンドリアンの理性とも違う、まるで子供の落書きのような自由で詩的な魅力に満ち溢れています。

▶︎Google検索:ジョアン・ミロ

ミロの絵には、星や鳥、目、女性などを思わせる、ユニークで記号的な形がよく登場します。

これらの形は、はっきりと「これだ」と断定できるものではなく、見る人の想像力によって様々に解釈できるのが特徴です。

彼は、意識的なコントロールをできるだけ排除し、無意識の中から湧き出るイメージを捉えようとする「オートマティスム(自動記述)」というシュルレアリスム(超現実主義)の手法に大きな影響を受けました。

頭で考えて描くのではなく、手が動くのに任せる、といった感覚に近いかもしれません。

そうして生まれた形は、私たちの心の奥底にある、言葉になる前の記憶や夢の世界と繋がっているかのようです。

また、ミロの色彩感覚も非常に特徴的です。

赤、青、黄、緑、黒といった原色に近い色を大胆に使いながらも、それらが絶妙なバランスで配置されているため、画面全体としては非常に洗練された印象を受けます。

まるで、夜空に浮かぶ星座を眺めているような、詩的でリズミカルな楽しさが彼の作品にはあります。

ミロは「地面に落ちている一本の糸も、私にとっては世界を創造するきっかけになりうる」と語ったそうです。

日常の些細なものから宇宙的な広がりまでを感じ取り、それを独自の詩的な言語に変換する才能は、まさに唯一無二と言えるでしょう。

彼の有名な抽象画は、私たちに理屈で考えるのではなく、ただ純粋に楽しむこと、自由に夢想することの素晴らしさを教えてくれるように感じます。

マーク・ロスコとカラーフィールド

有名な抽象画の世界には、見る人を包み込むような、巨大な色彩の海で感情を表現しようとしたアーティストもいます。

その代表格が、ラトビア出身でアメリカで活躍した画家、マーク・ロスコです。

▶︎Google検索:マーク・ロスコ

彼の作品は「カラーフィールド・ペインティング」というジャンルに分類されます。

これは、モンドリアンのようなはっきりとした形ではなく、大きく広がる色彩の領域(カラーフィールド)そのものを主題とするスタイルです。

ロスコの典型的な作品は、巨大なキャンバスに、輪郭がぼやけた長方形の色彩がいくつか浮かんでいる、という構成になっています。

初めて彼の絵の前に立つと、その圧倒的な大きさと、まるで呼吸しているかのように深みのある色彩に、思わず息をのむかもしれません。

彼は、自分の絵画は単なる色彩の配置ではない、と繰り返し主張しました。

ロスコが表現したかったのは、鑑賞者の心に直接働きかける、悲劇や歓喜、運命といった、人間の根源的な感情だったのです。

そのために彼は、鑑賞者が作品と一対一で向き合えるような環境を重視しました。

彼は、比較的薄暗い照明の中で、他の画家の作品と離して展示することを望んだと言われています。

それは、鑑賞者に絵画の世界に没入し、深い瞑想のような体験をしてほしかったからなのでしょう。

ロスコの作品は「見る」というより「体験する」アートだと言えるかもしれません。

作品の前に静かに佇んでいると、その色彩の海に吸い込まれ、自分自身の内面と向き合うような、静かで厳粛な時間が流れます。

有名な抽象画の中には、このように私たちの感情を揺さぶり、深い精神的な対話を促す力を持つものがあることを、ロスコの作品は教えてくれます。

日本人で有名な抽象画の画家は?

ここまで海外の巨匠たちを中心に見てきましたが、もちろん日本にも世界的に有名な抽象画のアーティストがたくさんいます。

戦後の日本美術を語る上で欠かせないのが、「具体美術協会(GUTAI)」という前衛芸術グループです。

▶︎Google検索:具体美術協会(GUTAI)

そのリーダーであった吉原治良は、「人の真似をするな、今までにないものをつくれ」という強烈なメッセージを掲げ、多くの若い才能を牽引しました。

彼の作品、特に晩年の「円」を描いたシリーズは、禅の思想にも通じるような、シンプルながらも深い精神性を感じさせ、国際的に高い評価を受けています。

また、現在、世界で最も有名な日本人アーティストの一人と言える草間彌生も、抽象表現の分野で独自の地位を築いています。

彼女の代名詞である「水玉(ドット)」や「網」のモチーフは、幼少期から悩まされていた幻覚や強迫観念を芸術に昇華させたものです。

無限に広がる水玉のパターンは、自己消滅への願望と宇宙的な広がりを同時に感じさせ、見る人を幻惑的な世界へと誘います。

他にも、絵具を足で塗りつけたり、体当たりでキャンバスを突き破ったりといった、革新的なパフォーマンスで知られる白髪一雄(具体美術協会のメンバー)や、和紙や墨といった日本の伝統的な素材を用いながら、モダンな抽象表現を追求した作家たちもいます。

これらの日本人アーティストたちの作品は、西洋の抽象画の流れを汲みつつも、日本の伝統的な美意識や精神性を反映している点が非常に興味深いところです。

海外の有名な抽象画と見比べてみることで、それぞれの文化的な背景の違いが表現にどのように現れているかを探求してみるのも、アートの楽しみ方の一つかもしれませんね。

 

有名な抽象画の楽しみ方と歴史的背景

この章のポイント
  • 抽象画が生まれた歴史と種類
  • 初心者でも分かる抽象画の見方
  • 抽象画に込められた画家の意味とは
  • 有名な抽象画はどこの美術館で見られる?
  • もっと有名な抽象画の世界を知るために

抽象画が生まれた歴史と種類

有名な抽象画をより深く味わうために、少しだけその歴史を振り返ってみましょう。

抽象画がある日突然、空から降ってきたわけではなく、そこには長い美術の歴史の積み重ねがありました。

19世紀後半、写真技術が登場したことは、絵画の世界に大きな衝撃を与えます。

それまで絵画が担ってきた「現実をそっくりそのまま記録する」という役割を、写真がより正確にこなせるようになったからです。

画家たちは、「絵画でしかできない表現とは何か?」を真剣に問い直し始めました。

その流れの中で、ポール・セザンヌのように、対象を基本的な幾何学形(円筒、球、円錐)に還元して捉えようとしたり、ゴッホやゴーギャンのように、自身の内面的な感情を強烈な色彩で表現したりする動きが出てきます。

そして20世紀初頭、ピカソやブラックが始めた「キュビスム」は、物事を複数の視点から同時に描くことで、伝統的な遠近法を完全に破壊しました。

これらの動きが土台となって、ついに1910年代、カンディンスキーらが具体的な対象を描くことから完全に離れた、最初の抽象画を制作するに至るのです。

抽象画には、大きく分けていくつかの種類があります。

  • 熱い抽象(情熱的抽象):カンディンスキーのように、画家の感情や内面的な衝動を、激しい筆致や色彩で表現するスタイルです。アンフォルメル(非定形)とも呼ばれます。
  • 冷たい抽象(幾何学的抽象):モンドリアンのように、普遍的な秩序や理性を、計算された線や形で表現するスタイルです。

この二つの大きな流れを軸に、戦後はアメリカでアクション・ペインティング(ポロックなど)やカラーフィールド・ペインティング(ロスコなど)といった、さらに新しい抽象表現が生まれていきました。

このように、抽象画の歴史は、画家たちの「絵画とは何か」という絶え間ない問いかけの歴史でもあるのです。

初心者でも分かる抽象画の見方

さて、歴史や種類を知ったところで、いざ美術館で有名な抽象画を前にしたとき、どのように楽しめばよいのでしょうか。

ここでは、アート初心者の方でもすぐに試せる、抽象画の見方のヒントをいくつかご紹介します。

これを「正解」だと思わずに、あくまで作品と仲良くなるためのきっかけとして、気軽に試してみてくださいね。

  1. 「何か」を探すのをやめてみる
    私たちはつい、「これは何が描いてあるんだろう?」と具体的な形を探してしまいがちです。まずはその探偵ごっこを一旦お休みして、ただ目の前の色や形を、音楽を聴くように感じてみましょう。
  2. タイトルをヒントにする
    作品の横にあるキャプション(説明書き)を見てみましょう。「無題」という場合も多いですが、「コンポジション」や「即興」といったタイトルが付いていることもあります。画家がどんなことを意図していたのか、少しだけヒントがもらえるかもしれません。
  3. 自分の気持ちに正直になる
    その絵を見て、どんな気持ちになりますか?「楽しい」「悲しい」「穏やか」「ざわざわする」など、どんな感情でもOKです。正解はありません。あなたの心がどう反応したかが、あなただけの鑑賞体験になります。
  4. 距離を変えてみる
    絵に近づいたり、遠ざかったりしてみましょう。近くで見ると絵具の質感や筆の跡が見えて面白いですし、遠くから見ると全体の構成や色のバランスがよく分かります。印象がガラッと変わることもあって、驚かされますよ。
  5. 想像の翼を広げてみる
    もしこの絵が音楽だったらどんな曲だろう?どんな味がするだろう?どんな手触りだろう?と、五感をフルに使って自由に連想ゲームをしてみるのも楽しい見方です。

大切なのは、知識で理解しようとする前に、心で感じてみることです。

有名な抽象画は、私たちに自由な対話を投げかけてくれています。

ぜひ、リラックスしてその対話を楽しんでみてください。

抽象画に込められた画家の意味とは

「この抽象画には、どんな意味が込められているんですか?」という質問は、おそらく最もよく聞かれるものの一つだと思います。

これはとても本質的な問いですが、答えるのが非常に難しい問いでもあります。

なぜなら、抽象画における「意味」は、物語のあらすじのように、ひとつの言葉で要約できるものではないからです。

例えば、カンディンスキーにとっての意味は、目に見えない魂の響きを、鑑賞者の心に直接届けることでした。

モンドリアンにとっての意味は、個人の感情を超えた、宇宙的な調和の法則をキャンバス上に示すことでした。

ロスコにとっての意味は、鑑賞者が自身の内面と深く向き合う、精神的な空間を創造することでした。

このように、画家によって「意味」の在り方は全く異なります。

さらに言えば、画家が込めた意味と、私たち鑑賞者が受け取る意味が、必ずしも同じである必要はないと私は考えています。

作品は、画家の手を離れた瞬間から、それを見る無数の鑑賞者との対話の中で、新しい意味を絶えず生み出し続ける存在になるのではないでしょうか。

ある人が作品から「希望」を感じ取ったとしても、別の人が「孤独」を感じ取るかもしれない。

どちらも間違いではなく、どちらもその人にとっての真実なのだと思います。

ですから、「意味」を一つの正解として探すのではなく、作品が自分に何を語りかけてくるのか、どんな感情を呼び覚ますのか、そのプロセス自体を味わうことが、抽象画との豊かな関わり方につながっていくはずです。

作品の前に立ち、静かに自問自答する時間こそが、画家が私たちに残してくれた、最も価値のある「意味」なのかもしれませんね。

有名な抽象画はどこの美術館で見られる?

有名な抽象画について知るうちに、「本物を見てみたい!」という気持ちが高まってきた方もいらっしゃるのではないでしょうか。

幸いなことに、世界中の、そして日本の美術館でも、素晴らしい抽象画のコレクションに出会うことができます。

ここでは、代表的な美術館をいくつかご紹介しますね。

旅行の計画を立てる際の参考にもなるかもしれません。

海外の主要な美術館

美術館名 所在地 特徴的な所蔵作品
ニューヨーク近代美術館 (MoMA) アメリカ・ニューヨーク モンドリアン「ブロードウェイ・ブギウギ」、ポロック「One: Number 31, 1950」など、近代美術の宝庫。
ポンピドゥー・センター フランス・パリ カンディンスキーのヨーロッパにおける最大のコレクションを誇る。
テート・モダン イギリス・ロンドン ロスコの「シーグラム壁画」を、彼が意図した環境で展示している「ロスコ・ルーム」は必見。

日本の主要な美術館

美術館名 所在地 特徴的な所蔵作品
東京国立近代美術館 東京・竹橋 日本の近代美術の流れを体系的に見ることができ、日本の抽象画家の重要作品も多数所蔵。
DIC川村記念美術館 千葉・佐倉 ロスコの作品だけを展示した「ロスコ・ルーム」があり、瞑想的な空間を体験できる。
国立国際美術館 大阪・中之島 国内外の現代美術を幅広く収集。具体美術協会の作品など、戦後日本の抽象画も充実。

これらの美術館のウェブサイトでは、所蔵作品のデータベースが公開されていることも多いです。

お出かけの前に、お目当ての作品が展示されているかチェックしてみることをお勧めします。

本物の作品が持つオーラや、絵具の質感、想像以上の大きさに、きっと新たな発見と感動があるはずです。

もっと有名な抽象画の世界を知るために

ここまで、有名な抽象画の世界を一緒に旅してきましたが、いかがでしたでしょうか。

何が描いてあるか分からない、とっつきにくいと感じていたかもしれない抽象画が、少しだけ身近な存在に感じられるようになっていたなら、とても嬉しく思います。

抽象画は、私たちに「こう見なさい」と答えを押し付けることはありません。

その代わり、「あなたはどう感じる?」と優しく、そして深く問いかけてくれます。

カンディンスキーの音楽的な色彩に心を躍らせるのも、モンドリアンの静謐な秩序に安らぎを見出すのも、ロスコの色彩の海に深く沈み込むのも、すべてがあなただけの自由な鑑賞体験です。

今回ご紹介した画家や作品は、広大で奥深い抽象画の世界の、ほんの入り口にすぎません。

この記事をきっかけに、さらに多くのアーティストの作品に触れたり、実際に美術館に足を運んでみたりすることで、あなたの探求の旅はさらに豊かなものになっていくでしょう。

大切なのは、知識を詰め込むことよりも、作品の前に立ち、自分の心がどう動くかを素直に感じてみること。

その対話の中にこそ、アートを鑑賞する本当の喜びがあると、私は信じています。

有名な抽象画の世界は、あなたが心を開けば、いつでも豊かで刺激的な体験を与えてくれるはずです。

これからも一緒に、アートの探求を楽しんでいきましょう。

この記事のまとめ
  • 有名な抽象画は具体的な形を描かず色や形で感情を表現する
  • 抽象画の父カンディンスキーは色と音楽を結びつけた
  • モンドリアンは水平垂直線と三原色で普遍的調和を追求した
  • ミロは無意識から生まれる詩的で自由な形で世界を描いた
  • ロスコは巨大な色彩の面で鑑賞者の根源的感情に働きかける
  • 日本人では具体美術協会の吉原治良や草間彌生が世界的に有名
  • 抽象画は写真の登場後「絵画にしかできない表現」を模索し生まれた
  • 鑑賞の際は「何か」を探さず自分の感情を素直に感じることが大切
  • タイトルや距離を変えて見ることで作品の新たな側面が見えてくる
  • 画家の込めた意味と鑑賞者が受け取る意味は必ずしも同じではない
  • 作品との対話の中で生まれる新しい意味こそが抽象画の魅力
  • ニューヨーク近代美術館(MoMA)は抽象画の宝庫として知られる
  • 日本ではDIC川村記念美術館の「ロスコ・ルーム」が必見
  • 知識よりも心で感じることが有名な抽象画を楽しむための鍵
  • 有名な抽象画は鑑賞者に自由な解釈を促す開かれたアートである

 

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