小さい絵の飾り方でお部屋が変わる!おしゃれな空間演出術

ふとした瞬間に心惹かれた、一枚の小さな絵。

ポストカードだったり、旅先で見つけたアートプリントだったり、その出会いは様々ですよね。

こんにちは、アートとの出会いを日々探求しているアザミです。

お気に入りの一枚を手にしたとき、その喜びと同時に「これをどこに、どうやって飾ろう?」と、ふと手が止まってしまうこと、ありませんか。

実は私も、アートを探求し始めたばかりの頃は飾り方がわからず、小さな絵をただ机の上に置いたまま…なんてことがよくありました。

でも、いくつかのコツを知るだけで、お部屋の印象が驚くほどおしゃれに変わるんですよね。

この記事では、小さい絵の飾り方というテーマについて、私自身が学んできたことを皆さんと共有していきたいと思います。

例えば、壁に穴を開けられない賃貸物件でも安心して楽しめる飾り方や、複数枚の絵をセンス良く見せるバランスの取り方、そして空間を活かしたレイアウトのアイデア。

さらには、お客様をお迎えする玄関や、意外とセンスが光るトイレ、お気に入りの雑貨と一緒に飾りたい棚の上など、場所ごとの具体的な飾り方のコツも一緒に見ていきましょう。

絵の魅力を最大限に引き出すフレーム選びも、とても大切なポイントです。

この記事が、皆さんのアートライフの第一歩を、より楽しく、心躍るものにするためのヒントになれば嬉しく思います。

この記事で分かる事、ポイント
  • 小さい絵をおしゃれに飾るための基本的な考え方
  • 壁を傷つけずに楽しめる賃貸物件向けの飾り方
  • 複数枚の絵をバランス良く見せるためのレイアウト術
  • 絵の魅力を最大限に引き出すフレームの選び方
  • 玄関やトイレなど空間の特性を活かした飾り方のアイデア
  • 棚の上を自分だけのギャラリーにするディスプレイ術
  • 誰でも簡単に真似できるセンスアップのコツ

 

小さい絵の飾り方で空間を彩る基本のコツ

この章のポイント
  • まずは飾りたい場所の壁の状態を確認
  • 小さい絵を引き立てるフレームの選び方
  • おしゃれに見せる全体のバランスの取り方
  • 複数枚の絵を飾る楽しいレイアウト術
  • 賃貸でも安心!壁を傷つけない飾り方

まずは飾りたい場所の壁の状態を確認

お気に入りの絵を飾ろうと決めたとき、一番最初にすべきこと、それは「壁と向き合うこと」だと私は考えています。

なんだか大げさに聞こえるかもしれませんが、これが意外と重要なんですよね。

なぜなら、壁の素材や状態によって、使える道具や飾り方がまったく変わってくるからです。

まずは、あなたが絵を飾りたいと思っている場所の壁を、指先で軽くコンコンと叩いてみてください。

音が軽く響くようなら、それは日本の住宅で最も一般的な「石膏ボード」の壁である可能性が高いでしょう。

石膏ボードは比較的加工しやすいため、細いピンタイプのフックなどが使いやすいのが特徴です。

一方で、音が硬く詰まっているように感じたら、コンクリートや木壁かもしれません。

コンクリート壁の場合は専用のドリルやフックが必要になることが多く、少し準備が必要になります。

木壁であれば、ネジや釘が使いやすいですね。

このように、壁の素材を把握することが、最適な固定具を選ぶための第一歩になるわけです。

さらに、壁紙の色や質感も大切な要素の一つです。

例えば、白い壁はどんな絵も引き立ててくれる万能なキャンバスのように感じます。

色鮮やかな絵ならその色彩が際立ちますし、モノクロの絵ならシックな雰囲気がより一層深まるでしょう。

もし壁に色や柄がある場合は、絵の色と壁の色が喧嘩しないように、少しだけ色味を合わせることを意識すると、空間に統一感が生まれます。

例えば、壁紙の柄の中の一色を拾って、その色の絵やフレームを選ぶ、というのも素敵なテクニックだと思います。

また、壁に直射日光が当たるかどうかも確認しておきたいポイントです。

特に、水彩画や版画などのデリケートな作品は、強い紫外線によって色褪せてしまう可能性があります。

大切なアートを長く楽しむためにも、直射日光が当たる場所は避けるか、UVカット機能のあるアクリル板が入ったフレームを選ぶなどの配慮ができると、より安心ですね。

このように、絵を飾る前には少しだけ壁をリサーチする時間を持ってみてください。

そのひと手間が、後々の満足度に大きく繋がっていくのを感じられるはずです。

小さい絵を引き立てるフレームの選び方

絵そのものが主役であることは間違いありませんが、フレームは、その主役をより一層輝かせるための大切なパートナーのような存在だと私は感じています。

どんなフレームを選ぶかによって、同じ絵でもがらりと印象が変わるから、このプロセスは本当に奥深くて面白いんですよね。

フレーム選びに迷ったとき、私がまず考えるのは「部屋全体の雰囲気と調和するかどうか」です。

例えば、ナチュラルで温かみのある木製家具が多いお部屋なら、やはり木製のフレームがしっくり馴染むでしょう。

オークやウォールナットなど、既存の家具の色味と合わせると、空間に統一感が生まれて落ち着いた印象になります。

逆にもっとモダンでシャープなインテリアがお好みなら、細身の金属製フレーム(ブラック、シルバー、ゴールドなど)がおすすめです。

特にブラックのフレームは、絵の色を引き締め、きりりとしたアクセントを加えてくれるように思います。

次に考えたいのが、フレームの色とデザインです。

もし迷ってしまったら、どんな絵にも合わせやすいのは、白や黒、あるいはナチュラルな木目のシンプルなフレームです。

これらは絵の邪魔をせず、主役であるアートを素直に引き立ててくれます。

特に小さい絵の場合、あまりに装飾的で太いフレームを選ぶと、フレームの印象が勝ちすぎて絵が負けてしまうことがあるので、最初はシンプルなものから試すのが良いかもしれませんね。

そして、もう一つ忘れてはならないのが「マット」の存在です。

マットとは、絵とフレームの間に入れる厚紙の台紙のこと。

これがあるだけで、絵とフレームの間に余白が生まれ、ぐっとプロフェッショナルな見た目になるから不思議です。

マットは絵が直接アクリル板やガラスに触れるのを防ぎ、作品を保護する役割も果たしてくれます。

マットの幅を広く取れば、小さな絵でも存在感が増し、より上品な印象を演出できるでしょう。

マットの色は白が一般的ですが、オフホワイトやクリーム色を選ぶと、より柔らかく温かみのある雰囲気に、グレーや黒を選ぶとモダンで引き締まった印象になります。

絵の中の特定の色を拾ってマットの色を選ぶという、上級テクニックに挑戦してみるのも楽しいかもしれません。

最終的には、正解はありません。

あなたが「この組み合わせが好き」と感じるものが一番です。

いろいろなフレームを絵に合わせてみて、その変化を楽しみながら、あなただけのお気に入りの一組を見つけてみてください。

おしゃれに見せる全体のバランスの取り方

さて、飾る場所とフレームが決まったら、いよいよ壁に飾るステップです。

ここで多くの人が悩むのが、「どの高さに飾ればいいの?」という問題ではないでしょうか。

この「高さ」こそが、空間全体のバランスを決め、おしゃれに見せるための鍵を握っていると私は感じています。

アートギャラリーや美術館などで絵を飾る際の国際的な標準、それは「センターラインを床から145cm〜150cmの高さに合わせる」というものです。

これは、平均的な人の目線の高さ(アイレベル)にあたります。

なぜこの高さが良いのかというと、人が立った状態で、最も自然に、そして心地よく作品を鑑賞できる高さだからです。

ご自宅で飾る場合も、この「目線の高さ」を一つの基準として覚えておくと、まず大きな失敗はありません。

絵の中心が、自分の目線の高さに来るように意識して位置を決めてみましょう。

ただし、これはあくまで基本の考え方です。

例えば、ソファに座って絵を眺めることが多いリビングなら、座ったときの目線の高さに合わせて、少し低めに飾るのも良い方法です。

そうすることで、空間との一体感が生まれ、よりリラックスした雰囲気でアートを楽しめるようになります。

廊下や玄関など、主に立って見る場所では基本のアイレベルを、ダイニングや書斎など、座って過ごすことが多い場所では少し低めを意識する、というように、その空間での過ごし方に合わせて高さを調整するのがコツですね。

次に考えたいのが、家具とのバランスです。

ソファやチェスト、ベッドヘッドなどの家具の上に絵を飾る場合は、家具の横幅の「3分の2程度」の幅に絵が収まるようにすると、バランスが美しく見えると言われています。

例えば、幅180cmのソファなら、その3分の2である120cmの範囲内に、絵(複数枚の場合はその集合体)が収まるように配置する、という具合です。

家具と絵の間の空間も大切で、15cm〜30cmほどの間隔をあけると、圧迫感がなく、すっきりとした印象になります。

家具を基準点として考えることで、絵が空間の中で孤立せず、インテリア全体に溶け込んだ、まとまりのあるコーディネートが完成するのです。

難しく考えすぎず、まずは基本のセオリーを試してみてください。

そして、少し離れた場所から眺めてみて、あなた自身が「心地よい」と感じるバランスを見つけることが、何よりも大切なのかもしれませんね。

複数枚の絵を飾る楽しいレイアウト術

一枚の絵をシンプルに飾るのも素敵ですが、大きさやテーマの異なる複数の小さな絵を組み合わせて飾る「ギャラリーウォール」は、空間にぐっと深みと個性を与えてくれる、とても楽しい手法です。

まるで自分だけの小さな美術館をキュレーションするように、その組み合わせは無限大。

とはいえ、ただやみくもに並べただけでは、雑然とした印象になってしまうこともあります。

そこで、いくつか基本的なレイアウトのパターンを知っておくと、誰でも簡単におしゃれなギャラリーウォールを作ることができるでしょう。

まず、最もシンプルで挑戦しやすいのが「センターラインを揃える」方法です。

それぞれの絵の中心を結ぶ水平なラインを一本、心の中でイメージします。

そのライン上に、絵の中心が来るように、左右に並べていくのです。

フレームの大きさや形がバラバラでも、中心線が揃っているだけで、不思議と全体に安定感が生まれます。

同様に、「上辺や下辺を揃える」というテクニックもあります。

棚の上などに飾る際に、全てのアートの下辺を一直線に揃えると、整然としたモダンな印象になりますし、天井が低い空間なら、上辺を揃えることで、視線が上に誘導されて空間が広く感じられる効果も期待できます。

次に、よりリズミカルで動きのある印象にしたいなら、「四角形にまとめる」レイアウトがおすすめです。

大きさの異なる複数の絵を、全体として一つの大きな長方形や正方形の塊になるように配置します。

このとき、一番大きな絵を中心(主役)に据え、その周りを小さな絵で埋めていくようにパズルを組み立てると、バランスが取りやすいかもしれません。

そして、レイアウトを決める上で非常に重要なのが「絵と絵の間隔」です。

この間隔を、全ての絵で均等に保つこと。 これが、まとまりのある美しいギャラリーウォールを作る最大のコツと言っても過言ではありません。

一般的には、5cmから10cm程度の間隔が美しいとされていますが、絵の大きさや壁の広さに合わせて調整してみてください。

いきなり壁に釘を打つのは勇気がいりますよね。

私のおすすめは、まず床の上でシミュレーションしてみることです。

新聞紙やクラフト紙をそれぞれのフレームの大きさにカットし、テープで壁に貼り付けてみて、全体のバランスを確かめるという方法も非常に有効です。

少し離れた場所から眺めたり、写真を撮って客観的に見てみたりしながら、じっくりとあなただけの最高の配置を見つけていきましょう。

賃貸でも安心!壁を傷つけない飾り方

「アートを飾りたいけれど、うちは賃貸だから壁に穴を開けられない…」これは、アート好きにとって本当に切実な悩みですよね。

画鋲の小さな穴さえも気になってしまう、という方も少なくないでしょう。

でも、諦める必要は全くありません。

今の時代、壁を傷つけることなく、そして現状回復も簡単にできる、賢いアイテムがたくさん登場しているのです。

これらを使えば、賃貸住宅でも心置きなくアートを楽しむことができます。

まず、最も手軽でポピュラーなのが「貼って剥がせるタイプの粘着フックやテープ」です。

様々なメーカーから出ていますが、しっかり固定できるのに、剥がすときには壁紙を傷つけずにキレイに剥がせるという優れもの。

軽いポストカードや写真フレーム程度なら、粘着タブだけで十分ですし、少し重さのあるフレームでも、耐荷重が明記されたフックタイプを選べば安心です。

ただし、壁紙の種類や凹凸によっては付きにくい場合もあるので、使用前には必ず説明書を確認してくださいね。

もう少し本格的に、そして頻繁に絵を掛け替えたいと考えている方には、「ピクチャーレール」の導入を強くおすすめします。

天井の際や壁の上部に取り付けたレールからワイヤーを垂らし、好きな高さにフックを移動させて絵を掛けるシステムです。

一度レールを設置してしまえば、壁に新たな穴を開けることなく、自由にレイアウト変更が楽しめます。

最近では、突っ張り棒の仕組みを応用した、壁や天井に穴を開けずに設置できるピクチャーレールも登場しており、賃貸の強い味方と言えるでしょう。

また、壁に直接何かをする、という発想から少し離れてみるのも一つの手です。

例えば、「有孔ボード(ペグボード)」や「ワイヤーネット」を壁に立てかける、あるいは突っ張り式のパーテーションとして設置するのです。

そして、そのボードやネットにフックを使って絵を飾るという方法。

これならば、壁そのものには一切触れることがありません。

有孔ボードはナチュラルなインテリアに、ワイヤーネットはインダストリアルな雰囲気にマッチし、それ自体がおしゃれなディスプレイの一部になります。

絵だけでなく、小さなグリーンや雑貨も一緒に飾れば、より立体的で楽しい空間が生まれるでしょう。

他にも、家具の上に立てかけたり、イーゼルを使ったりと、アイデアは無限にあります。

「壁に穴を開けられない」という制約を、逆に創造力を掻き立てるチャンスと捉えて、自由な発想で小さい絵の飾り方を楽しんでみてください。

 

場所の特性を活かした小さい絵の飾り方の応用

この章のポイント
  • お客様を迎える玄関をアートな空間に
  • トイレに飾る一枚で清潔感と彩りを
  • 棚の上を小さなギャラリーにするアイデア
  • リビングの壁面をおしゃれにするポイント
  • まとめ:小さい絵の飾り方で日常はもっと楽しくなる

お客様を迎える玄関をアートな空間に

玄関は、家の「顔」とも言える特別な場所ですよね。

家族が毎日「いってきます」「ただいま」を告げる場所であり、お客様が最初にその家の印象を感じ取る場所でもあります。

そんな大切な空間だからこそ、一枚の小さな絵を飾るだけで、雰囲気が格段に豊かになるのを実感できるはずです。

玄関に飾る絵を選ぶとき、私が少し意識しているのは「明るさ」と「ポジティブな印象」です。

例えば、色鮮やかな花の絵や、穏やかな風景画、あるいは抽象画であっても、軽やかで明るい色調のものを選ぶと、空間全体がパッと華やぎ、見る人の気持ちを自然と明るくしてくれるように感じます。

風水の考え方を取り入れるのも面白いかもしれませんね。

一般的に、玄関に明るく美しいものを飾ることは、良い運気を呼び込むとされています。

飾る場所としては、シューズボックスの上が最も手軽で効果的なスペースです。

壁に直接掛けなくても、フレームに入れた絵をそのまま立てかけるだけで、立派なディスプレイになります。

このとき、小さな一輪挿しや、お気に入りのフレグランスディフューザー、鍵を置くための小さなトレイなど、他の小物と一緒に飾ると、よりこなれた雰囲気を演出できます。

高低差を意識して配置するのが、バランス良く見せるコツですね。

もし壁に飾るスペースがあるなら、ドアを開けて最初に目に入る正面の壁がおすすめです。

ここに一枚、お気に入りのアートがあるだけで、帰宅するたびに温かい気持ちで迎えられているような感覚になるのではないでしょうか。

玄関は比較的、光が入りにくい場所も多いので、もし可能であれば小さなスポットライトを絵に当ててあげると、まるでギャラリーのような特別な空間に早変わりします。

照明によって生まれる陰影が、絵の魅力をより一層引き立ててくれるでしょう。

小さい絵だからこそ、大げさにならず、さりげなくその家のセンスや住む人の人柄を伝えてくれます。

季節ごとに絵を掛け替えて、訪れる人との会話のきっかけにするのも素敵ですね。

「春だから、桜の絵にしてみました」なんて一言が、心温まるコミュニケーションを生むかもしれません。

あなたらしい一枚で、大切な「顔」である玄関を、もっと素敵な場所にしてみませんか。

トイレに飾る一枚で清潔感と彩りを

トイレという空間について、皆さんはどのようなイメージをお持ちでしょうか。

単に機能的な場所と捉えるだけでなく、実は家の中で最もプライベートで、落ち着けるパーソナルな空間の一つだと私は考えています。

そして、そんな小さな空間だからこそ、アートを飾ることで大きな変化と楽しみが生まれる場所でもあるんですよね。

トイレはリビングや玄関のように、他の人の目を常に意識する必要があまりありません。

だからこそ、自分の「大好き」を思いっきり表現できるチャンスです。

少しユニークで遊び心のあるイラストや、クスッと笑えるようなグラフィック、あるいは心を静めてくれるようなミニマルな写真など、普段はリビングに飾らないような、ちょっと個性的な作品を選んでみるのも楽しいでしょう。

小さな空間なので、飾る絵のテーマを一つに決めると、統一感のある世界観を作りやすいです。

例えば、「海」をテーマに、青い色調の絵や貝殻の写真などを集めて飾れば、爽やかで清々しい雰囲気に。

「植物」をテーマにすれば、ナチュラルでリラックスできる空間になるでしょう。

トイレにアートを飾る際に、少しだけ気をつけたいのが「清潔感」です。

清潔さが求められる場所だからこそ、飾るアートもクリーンな印象を保ちたいもの。

そのためには、フレーム選びが重要になります。

湿気や汚れから作品を守るためにも、ガラスやアクリル板で前面がカバーされているフレームを選ぶことをお勧めします。

フレーム自体も、汚れが拭き取りやすい金属製や樹脂製のものなどが適しているかもしれません。

飾る場所としては、便座に座ったときにちょうど目線の高さに来る壁や、タンクの後ろの壁などが一般的です。

スペースは限られていますが、その制約がまた、工夫のしどころであり、面白さでもあります。

トイレットペーパーホルダーの上の小さなスペースに、ミニフレームをちょこんと置くだけでも、空間はぐっと愛らしくなります。

毎日、そして家族全員が必ず使う場所だからこそ、そこに一枚のお気に入りの絵があるだけで、日常の何気ない瞬間に彩りが加わるのを感じられるはずです。

お客様が使ったときにも、「素敵な空間だね」と褒められるような、あなただけの小さなギャラリーをトイレに作ってみてはいかがでしょうか。

棚の上を小さなギャラリーにするアイデア

壁に穴を開けるのは少し抵抗がある、もっと気軽にアートを楽しみたい、という方にぜひ試していただきたいのが、「棚の上に飾る」という方法です。

チェストやサイドボード、本棚や飾り棚の上は、あなただけの小さなギャラリーステージに早変わりする、絶好のディスプレイスペースなんですよね。

この飾り方の最大の魅力は、なんといってもその手軽さと自由度の高さです。

壁に掛ける場合、一度場所を決めると変更するのが少し億劫に感じられますが、棚の上なら気分に合わせていつでも気軽に配置を変えたり、飾る絵を入れ替えたりすることができます。

季節の変わり目に、まるで洋服を衣替えするようにアートを替えてみる、なんて楽しみ方も素敵だと思いませんか。

棚の上に絵を飾る際のコツは、「ただ置くだけ」で終わらせないことです。

他のインテリア小物と組み合わせることで、絵が空間に溶け込み、より立体的でおしゃれなディスプレイが完成します。

例えば、絵の後ろに少し大きめの洋書を立てかけてみたり、手前に小さな観葉植物やアロマキャンドルを置いてみたり。

そうすることで、奥行きとストーリー性が生まれるのです。

このとき、ぜひ意識していただきたいのが「三角構成」です。

これは、ディスプレイの基本テクニックで、高さの異なるものを3つ、三角形を描くように配置する方法です。

例えば、「背の高いフレームに入った絵」「中くらいの高さのフラワーベース」「背の低いオブジェ」というように、高さに変化をつけることで、視覚的に安定し、リズム感のある心地よいバランスが生まれます。

複数の小さな絵を飾りたい場合は、いくつかのアートを重ねて置くのも、こなれて見えるテクニックの一つです。

全てを正面に向けてきっちり並べるのではなく、少しだけ角度をつけて重ねることで、無造作なようでいて計算された、ニュアンスのある表情が生まれます。

また、棚の背景となる壁の色や素材も、ディスプレイの印象を大きく左右します。

もし壁が少し寂しく感じるなら、絵を飾るエリアの背面にだけ、お気に入りのファブリックやデザインペーパーを貼ってみるのも良いアイデアです。

それだけで、その一角が特別なステージのように際立ちます。

棚の上という限られたスペースは、あなたのセンスとアイデアを詰め込める、創造的な遊び場です。

試行錯誤を楽しみながら、あなただけのお気に入りのコーナーを作り上げてみてください。

リビングの壁面をおしゃれにするポイント

リビングは、家族が集い、友人と語らい、一日の疲れを癒す、家の中でも中心的な役割を担う空間です。

そんな大切な場所だからこそ、アートを飾ることで、もっと心地よく、そしてもっと自分たちらしい空間にしたい、と考える方も多いのではないでしょうか。

リビングの壁面という広いキャンバスに、小さい絵をどう飾るか。これにはいくつかのポイントがあると私は感じています。

まず、広い壁に小さな絵をぽつんと一つだけ飾ると、寂しい印象になってしまうことがあります。

もちろん、ミニマルで洗練されたスタイルを目指すならそれも一つの正解ですが、多くの場合、物足りなさを感じてしまうかもしれません。

そこでおすすめなのが、やはり「複数枚をまとめて飾る」ことです。

以前にもお話ししたギャラリーウォールのテクニックを使って、複数の小さい絵を一つの大きなアートピースのように見せるのです。

テーマ(例えば「旅の思い出」)や色調(例えば「青系の色」)を揃えると、大きさやフレームがバラバラでも不思議と統一感が生まれます。

飾る場所として最も人気があり、また空間の印象を決定づけるのが「ソファの上」の壁面です。

ここでのポイントは、ソファの横幅を基準に考えること。

ソファの幅の3分の2程度のエリアに絵の集合体が収まるようにレイアウトし、ソファの背面から15cm〜30cmほど上に飾ると、美しいバランスが生まれます。

ここにアートがあるだけで、リビングの主役であるソファ周りがぐっと引き締まり、洗練されたフォーカルポイント(視線が集中する場所)になるでしょう。

次に考えられるのが、テレビ周りの壁面です。

テレビという黒くて無機質な存在の周りに、彩り豊かなアートを配置することで、温かみのある人間的な雰囲気を加えることができます。

テレビボードの上に立てかけたり、テレビを囲むように壁に掛けたりすることで、無機質なAV機器がインテリアの一部として自然に溶け込んでいきます。

また、リビングの壁面は広いからこそ、季節感を表現するのに最適な場所とも言えます。

夏には涼しげな寒色系の絵を、冬には温かみのある暖色系の絵を、というように、季節の移ろいに合わせてアートを入れ替えてみてはいかがでしょうか。

クッションカバーやラグの色とアートの色をリンクさせると、より高度なコーディネートが楽しめます。

リビングは、あなたや家族の個性が最も表れる場所です。

子供が描いた絵、家族の写真、旅先で買ったポストカード、そしてお気に入りのアート作品。それらを自由に組み合わせて飾ることで、誰にも真似できない、温かくてパーソナルなリビング空間が生まれるのだと思います。

まとめ:小さい絵の飾り方で日常はもっと楽しくなる

これまで、小さい絵の飾り方について、様々な角度から一緒に探求してきました。

壁の状態の確認から始まり、フレームの選び方、バランスの良い配置、そして場所ごとの応用テクニックまで、たくさんのコツがありましたね。

振り返ってみると、おしゃれに飾るためのセオリーやテクニックは確かに存在します。

目線の高さを意識したり、家具とのバランスを取ったり、複数の絵の間隔を揃えたり…。

これらの基本を知っておくことは、私たちが道に迷ったときの、確かな道標になってくれるはずです。

でも、私がこの探求を通じて一番大切だと感じているのは、ルールに縛られすぎない「自由な心」です。

アートは、一部の専門家やお金持ちだけのものではありません。

それは、私たちの日常に、ささやかな彩りや、心のときめき、そして安らぎを与えてくれる、とても身近な存在だと思うのです。

だから、完璧な飾り方を目指す必要なんて、本当はどこにもないのかもしれません。

あなたが心から「好き」と感じる絵を、あなたが「心地よい」と感じる場所に、あなたのやり方で飾ってみる。

その一歩を踏み出すことが、何よりも素晴らしいアートとの付き合い方の始まりなのではないでしょうか。

賃貸だからと諦めていた壁も、工夫次第で素敵なキャンバスに変わります。

雑然としていた棚の上も、少しのアイデアでパーソナルなギャラリーステージになります。

玄関で、トイレで、リビングで。

一枚の小さな絵は、その場所の空気を変え、私たちの気持ちを豊かにする力を持っています。

この記事でお話しした小さい絵の飾り方のヒントが、皆さんのアートライフをより楽しく、より身近なものにするきっかけとなれたら、私にとってこれ以上の喜びはありません。

さあ、まずは手元にある一枚の絵を、一番好きな場所に飾ってみませんか。

きっと、あなたの日常が、昨日よりも少しだけ輝いて見えるはずです。

この記事のまとめ
  • 小さい絵の飾り方の第一歩は壁の素材確認から
  • 壁に合った固定具選びが失敗しないコツ
  • フレームは部屋の雰囲気と調和させることが大切
  • 迷ったらシンプルで細身のフレームがおすすめ
  • マットを使うと絵が上品に見え保護効果もある
  • 絵の中心を床から145cmの目線の高さに飾るのが基本
  • ソファの上など座る場所では少し低めに飾ると心地よい
  • 複数の絵は中心線や辺を揃えると統一感が出る
  • 絵と絵の間隔は5cmから10cmで均等に保つ
  • 賃貸では貼って剥がせる粘着フックが非常に便利
  • 突っ張り式のピクチャーレールも賃貸の強い味方
  • 玄関には明るい印象の絵を飾り家の顔を華やかに
  • トイレはプライベートな空間で遊び心のある絵も楽しめる
  • 棚の上では小物と組み合わせて立体的にディスプレイする
  • リビングでは複数枚を飾りフォーカルポイントを作る
  • 小さい絵の飾り方に完璧な正解はなく楽しむ心が一番

 

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